すこしかじり虫

多趣味で結局無趣味。なんでも中途半端。そんな性格の人が書いてるブログです。

思い出し日記 1986年

この年、スズキGN50E(中古)と一緒に北海道を1周した。

  

参考にしたのは 加曽利隆の「50ccバイク 日本一周ツーリング 東日本編」

装備やテクニックはこの本から学んだ。(つもりだった)

  

この時私は札幌市豊平区に住んでいて、学校の夏休みを利用した。途中で函館から青森の実家に帰省するつもりだった。

  

日記帳が残っている。

デジタルに遺しておきたくて、何日かに分けて紹介しようと思う。

  

まず、日記帳の冒頭に書き記した給油記録を書き写す。一日の走行距離数とその日に到達した場所がわかる。

  

日付        メーター読み距離数  場所

1986年        (走行距離)

7月26日     8,146㎞       札幌

7月31日     8,420㎞(274㎞)   R12

8月1日      8,688㎞(268㎞)   天塩

8月2日      9,023㎞(335㎞)   朱鞠内

8月2日      9,073㎞(50㎞)   士別

8月3日      9,309㎞(236㎞)   上川

8月5日      9,429㎞(120㎞)   紋別

8月6日      9,682㎞(253㎞)   弟子屈

8月7日      9,937㎞(255㎞)   斜里

8月8日     10,232㎞(295㎞)   根室

8月9日     10,477㎞(245㎞)   幕別

8月11日    10,731㎞(254㎞)   富良野

8月12日    10,965㎞(234㎞)   広尾

8月12日    11,195㎞(230㎞)   R276

8月13日    11,445㎞(250㎞)   R37

8月15日    11,688㎞(243㎞)   青森の実家

  

1日 200~300kmを走っていた。

よくやったもんだな、と思う。

  

日記は 7月30日 から書き始めている。

  

7月30日(思い出し日記)

昨日、明日出発することに決める。

もうこの日、すでに胸が高鳴る。

期待と不安が入り混じった感じだが、どちらかといえば不安のほうが強く、無事に北海道一周を果たせることを祈るだけだ。

  

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一周する前にいろいろ計画をした。これも楽しかった。

   

  

7月31日

午前9時起床。昨夜はよく眠れなかった。朝食にトーストとコーヒー。

いよいよだ。

いざ、バイクに積む段になって予備ガソリン2リットルタンクの漏れがひどい。ガムテープで補修したのだったが、間に合わなかったようだ。「フィッシュランド」へ新しいのを買いに行こうかとも思ったが、結局予備ガソリンは持っていかないことにする。何とかなるだろう。

11時5分過ぎ、アパートを出る。さすがに普段走りなれた道をでかい荷物を背負って走ることに気恥ずかしさを感じる。

274号線に乗る。

長沼町のまっすぐな道路に北海道を感じた。東陽コンクリート(昨年のバイト先)の長沼工場の前で写真を撮ってやろうかと思ったが、道を間違えたらしく、工場に行きつくことはできなかった。長沼町には肥料の匂い、養豚の匂い、わらの匂いと久しぶりにかぐ匂いだらけだ。

由仁町でR234に乗る。北上する。

晴天の栗山公園で昼飯。フランスパン半分とジュース。

啓明橋やら共栄橋やら、やたらと橋の名前を目で追っている自分に気づいた。岩見沢で21世紀博に行くが、入場料1400円と聞いてがっくり。12号線へ。

バイクとすれ違い、追い抜かれ、ピースサインの応酬。なぜかこのピースサインも気恥ずかしかった。

砂川の市街地でネズミ捕り。Keep!制限速度。

(実はこの時点であと減点1点があったら免停となる状態だった)

歌志内への道道へ逸れる。なんだかアスファルトまでがセピア色の町、歌志内。

赤平を通り、R38で滝川へ。パトカーがものすごい勢いですっ飛んでいった、と思ったらなんと事故。スズキの黒のFW・・・?

R12に戻り、一路深川へ。

サークル仲間の生家を探そうともがいたが見つからない。それなら、と深川西高を探したが見つかったのは東高だけ。

石狩川にかかる深川橋の付近の土手に泊まることにする。

バイクで土手を登ろうとして転び、右の買ったばかりのミラーを割る。

初日からこれかよ‥‥

しかもエンジンがかからない。

日も暮れてしまった土手の広場の石のベンチでカップラーメンを食い、食後のコーヒーを飲む。

橋の下までバイクを押して、寝袋を広げ、寝ようとする。

寝れない。暑い。蚊に食われる。

夜中、(何時か忘れた)荷物をまとめ、バイクを押して深川駅に移動。待合室の椅子に小さくなり眠ろうと試みる。眠れない。

1時半ごろ、駅員に「3時半まで駅舎を閉めるから」と追い出される。

ちょうど駅前通りが歩行者天国風に通行止め区域があり、噴水やらベンチやらがにわか作りでしつらえてあった。夜中だというのに、それらのベンチに座っておしゃべりし合う人達がいる。酔っているようだ。

明日朝いちばんにショップへもっていこうと思っているバイクは駅前に置いてきた。噴水のそばのベンチで3時半まで時間をつぶそうとする。すると、パンチパーマに赤いシャツの男と待ち合わせをしている、という男が寄ってきた。しばらく他愛のない話をする。「深川は何もない」「俺も札幌の専門学校に行っていたが途中でやめた」とか「稚内はどうだ」「あそこはきれいだ」とか・・・・

その男がやけに大人に見えたのは覚えてる。

3時半近くなって、その男から聞いたバイクショップの場所を確かめてから駅に戻る。

・・・・・・少し眠っただろうか。

  

  

  

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計画書の一部