すこしかじり虫

多趣味で結局無趣味。なんでも中途半端。そんな性格の人が書いてるブログです。

思い出し日記 1986年

8月8日

午前5時過ぎ起床。毛布一枚で寝たせいか、ちょっと鼻がぐすぐすする。風邪をひいたなんてことはないと思うけど。

外はやはりあいにくの空模様。太陽が恋しい。あんなに暑くてもう嫌だと思っていたのに。恋しい。肌が灼けるくらいの厚さが欲しい。

朝食は駅のホームで湯を沸かし、コーヒーだけにしておく。

洞爺湖から支笏湖の間は工事中でダートになっているらしい。ツーリングトレインで隣になった、東京から来たという人からの情報。

冷風の吹きすさぶ中、ノサップ岬へ。ソ連のほうの空が晴れていたのが悔しかった。

R44では眠くていつ事故を起こしても仕方がないほどだ。

「まきば」というドライブインに飛び込む。今日から高校野球だ。テレビでは三沢商がやっている。先取点をとられた。がんばれ。

R44を東へ。眠い。やたらと眠い。「車のバカ! 父ちゃんを返せ」というものすごい標語の立て看を見つけた。

厚岸町に降りる。駅で少し昼寝をしようと思う。眠ったかどうかというところで起き上がる。またパンとジュースを買ってしまった。なんだか急に食いたくなったのだ。そうこうしていると、気づくと駅前にはたくさんのツーリングバイク。よく見ると、ここ厚岸の町は立派な観光地だったのだ。全然気づかなかった。

厚岸を出たあたりでいきなりサイレン。なんなんだろう、あれは? 心臓に悪い。50km/hは出てたから「やられた!」と思った。

R44で釧路へ。ここもサークル仲間の生地。釧路は晴天に恵まれていた。ここの駅にもねぷたとよされのポスターがあった。

釧路は札幌に近いほどの都会に感じた。ただ都会的な建物の並びの川辺に、漁用の船が何隻も停められているのが札幌とは異質の雰囲気をかもし出していた。

R38で帯広へ向かう。完全に風邪をひいてしまったことを悟る。だが風邪だからといって帯広のホテルで夜を明かすつもりはない。たかが風邪でホテルに泊まるか、と考えた自分を恥じる。

途中で海を眺める。波が幾重にも重なって押し寄せ、ひいていく。その音がまた凄かった。

幕別へ到着したのは、午後5時半ごろ。駅舎の中で寝てもいい、とのこと。いっぺんで幕別が好きになる。それにKioskのおばさんも気さくで親切な人だった。俺の汚れ物を洗濯してあげようか、とも言ってくれた。はは・・・ でも、就職のことも思い出させてくれたおばさんだった。

インスタントラーメンとコーヒーにする。銭湯は気持ちよかった。帯広のホテルにしなくてよかった。

急に歯ごたえのあるものを食いたくてピーナッツといかのくん製を買う。レジの人に「756円です」と言われ、準備していた6円を探してポケットに手を突っ込み、「あれ?ない」とあわててしまう。実は唇に挟んでおいてたのに。その上、10円玉を落としてしまう。拾おうと思ったが、見つからなさそうだったので、あきらめる。この旅、何回目かの赤面。

なんだか熱っぽい。風呂に入って夜の街をぶらついたのがいけなかったか。酒でも飲めばなおるだろうか?

  

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いっぺんで好きになった幕別

  

  

8月9日

午前4時50分起床。昨晩は寝苦しくてなかなかきつかった。寝ていた長椅子からは落ちるし。今朝こんなに早く起きたってことは今日もまた居眠り運転寸前のことをやってしまうのだろうか?

朝食を摂っているとき、変なじいさんが寄ってきて「お! やってるな」「若いうちだ、こんな年取ってからじゃダメだ、ハッハッ!」と面白い顔をして見せる変な人だった。駅員には怒られてるし。

午前6時50分出発。R242にのり、足寄までのんびり運転。途中ネズミを轢きそうになる。8時45分に足寄駅に到着。

「ゆっくり走ろう! 千春のふるさと」だって。千春の生家へ行く。まだこんな若い子が千春のファンなのかと驚く。そこはただの「家」だった。隣家では曇りガラス越しに洗濯している主婦の姿があった。 観光バスが何台か千春の家に来る。

足寄の町は「自衛隊反対」だとか「歓迎自衛隊」だとかの立て看が道路端に立ち並んでいた。帰り、R241で自衛隊ジープが何台か並んでくるのとすれ違った。

11時15分、帯広駅到着。R241はとにかくうんざりするほど真っすぐで眠くなってしまう。帯広駅にはわけのわからないおじさん、おばさんたちがいた。どんな仕事をやっているのか。こういう人達もいるんだな。(日記にはこういう記述があったが、どういう状況だったのか記憶にはない)

R38をひたすら富良野へ。

途中の新得町でネズミ捕りが仕掛けられていた。士幌で白バイとすれ違った。やはり油断はしていられない。

狩勝峠を上る。きつかった。俺のシフトワークが悪いのだろう、追い越していくライダーに思わず笑われてしまう。

富良野到着が4時半。やはり風邪をひいてる。熱っぽいし体がだるい。これはまずい。なかなか治らない体質なのだ。敗因は多分根室のトレインで寝冷えしたのがそれなのだ。その上幕別で風呂に入った後、体を冷やしてしまった。くそ!

ビジネスホテル石州というホテルの泊まる。ホテルに入ってまでカップラーメンはないだろう? だけど不味かった、あの親子丼。

8時、サークル仲間のF君と待ち合わせ。車で「朝日のあたる家」という茶店へ行く。ラベンダーカルピスとラベンダーゼリー。ロハだったのが嬉しかったけど、ちょっと悪いような気もした。

10時まであと10分というところでホテルに戻る。ゆっくり眠ろう。

  

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観光地、松山千春の家

  

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上るまでがきつかった狩勝峠